ラズパイオーディオを作ってみた

ミニカー全く関係ない話。

今更…と思いながらもラズパイを買ってみたのが今年の2月半ばのこと。
一通り遊んで、じゃあ具体的に何か作ろうかな…って思ったとき、ネットワークオーディオを作ろうと思うのはわりと一般的、ですよね。

そんな私も作ってみることにしました。
基礎回路設計と実験、筐体構想と設計、部品集めから組付け、予想外の散財の末についに完成。
この週末で本格的なシェイクダウンをしたので備忘録を兼ねてお披露目。(^^;

導入とか設定とかの情報はそこらに溢れてるので、概要だけ紹介します。
目指したのはspotifyに対応してて何よりカッコいいことと、聴くにたえれるちゃんと鳴るものを作ること、です。

この後、ちょっと電気用語とか出て来るし、文章も長いです。(^^;


基本システムはラズパイ3BとVolumio、外付けのDACはネットでも評判の高いSabreBerry32です。これ、ラズパイの何倍もする高価なDACボードです。(^^;
いっそのこと自分でCAD設計からDAC基板作ってしまおうか、とも思いましたが、まずは手始めに評判のいい出来合いの物で試すことにしました。

物が届いて最初はラズパイのコネクタに直挿しして電源共用する設定で聴いてみたところ、音はやや汚いものの「これは!」と思える解像度で鳴ります。
その時点でコンセプトは決まりました。
デジタルとアナログ、つまりラズパイとDACを電気的に分離することにします。

デジタル部からの伝導と放射の両ノイズを避けるため、箱を分けてGNDを絶縁し、I2Sは単方向なのでフォトカプラ、I2CはDATAが双方向なので仕方なくデジタルアイソレータを使います。
I2Sにもアイソレータを使う案もありましたが、男のロマン?(^^;を感じて光伝達にします。
これらの絶縁I/F部はラズパイ側の箱に入れました。筐体間を結ぶケーブルにはI2S,I2Cに加えてDAC側からの+3.3VとGND、DACの電源EN端子のリモート線を渡しています。
ラズパイとDAC間の配線は〇〇cm以上長くしたらダメ、なんて書いてるのをたまに見かけますが、それはウソです。
長くしたら動かなかった、なんていう場合は大抵シングルエンドで信号線だけを渡している場合です。
今回、私が使っている線材は特性imp=50Ωが取れている#32の同軸です。これならたとえ1mでもtpd/ロス共に全く問題ないと思います。
ただ、今回の伝送はBCLK/LRCKをDAC側から供給するマスター駆動としたため、フォトカプラの往復tpd=実測25nsが問題になるようです。
サンプリング96kHzまでは鳴りますが192kHzだと音が崩れました。
まぁ、実際には私の環境では96kHzでも十分だし今回は妥協。(^^;
技術の進歩でもう少し速い素子が出てきたら改造することにします。

電源は各々の筐体内で専用に作って、ACアダプタからの供給も独立して入力できるようにし、ショートケーブル↓を使うと簡易的に共用できる設計としました。
中身の写真は載せてませんが、入力した直後にC-L-Cとしたフィルタとコモンモードフィルタをいれています。
また、電源素子はスイッチングは使わずすべてLDOで構成しています。
LDOなら発熱が心配…かもしれませんが、デジタル部に6V、アナログ部12V、みたいに分けられるので発熱が問題になることはなさそうです。
実際、再生中のラズパイは300mAちょいでした。
電力的にもヒートシンクを付けたLDOで十分行けます。

筐体選びはずいぶんと悩みました。
何よりカッコいいケースがなかなか見つかりません。
さらにパネルをどう加工するか?スイッチは?デザインは?悩みどころ満載です。
最終的には物の寸法を測ってレイアウトを決め、それに基づく図面を書いて決めました。
ここが一番時間かかったとこ。検討のために何個も無駄な部品を買って最終的にこうなりました。(^^;

ケースはタカチのEX14-5-19SS、これに前後パネルはアクリルで特注しました。
フロントはアクリル2枚重ね、ノブの受け部を凹ませられるのと、表示部をうまく裏から固定するのの両方に役立ってます。
厚めの1枚板をザグって作る案もありますが、現実的ではないと判断しました。
ちなみに、このノブですが、カッコいいのが無くて、最終的にDigi-key使って輸入しました。(^^;

それともうひとつ拘ったのはVUメータを付けること。
このメータは35mm径のちっちゃいやつですが、これがぶんぶん動くだけで全然楽しさがちがいます。(^^;
DACの出力に余計な回路をぶら下げるわけだから、音質に関してはマイナス方向にしか行かないですが、実際に聴いてみてたいした影響ではないと判断しました。
それより動いてる方がずっと面白い、いつまででもぼーっと眺めていられます。

アナログ側の小さいつまみ2個はVUメータのイルミ輝度と振れ幅調整。
デジタル側のロータリーエンコーダで音量調整できるようにしたので、音の大きさでメータの振り具合が異なります。
したがって、メータが指してる値は絶対値ではありません。(^^;

今週、やっとまともに完成形になって、ちゃんと試聴してみました。
うちでメインで使ってるのはパイオニアのN-70AEですが、総合的にはこれに勝てないまでも、音源によっては肉薄する以上に勝っている部分もあり、なかなかの音質です。
自分好みの方向にチューニングしてるから当然と言えば当然ですが、素性が悪いと絶対にこういう音は出ません。
もうちょっと詰めてみようと思います。

それより…Volumioの安定性が今一つのところがあります。
いっぱい付けたスイッチも活かしきってるわけではないし、今後のupdateの楽しみ、ですかね。(^^;

簡単に書いて技術的な核心には触れてないので、もし知りたい人がおられましたら質問にはお答えします。

2 thoughts on “ラズパイオーディオを作ってみた”

  1. 何か、ミニカーともカメラとも違うけど、コアで深い渋さが何とも言えません。自分でイメージを形にするのって、素晴らしいですね。

  2. かずパパさん、こんばんは。
    しかし…これを作るために制作環境含めて相当の金を使いました。(^^;
    作ること自体が何より楽しいので、それはそれでいいのですが製品のプレーヤを買うこと思えばどえらい高い買い物です。
    道具は一通りそろったので、この後は楽になる予定ですが…(^^;

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