去年の年末の話ですけど…
家のプリンタをキヤノンの複合機 MG8130 に買い換えたことをチラっと書きました。
その後、ネガフィルムのデジタル化を進めてた訳ですが、やはり複合機では限界が…

なので、今更ながらにフラットベッド機 CanoScan 9000F を買いました。
どちらも最高9600dpiで、LEDを光源とするCCDスキャナ搭載。
これらの商品は、現行キヤノン製ラインナップではフラッグシップモデルです。
もし、同じような悩みを持つ方がおられるかもしれないので、その実力差はどうなのか？を検証してみます。
続き、重いです。
基本的事項から。
35mmフィルムをスキャンする場合、MG8130は同時に6コマ、9000Fは12コマです。
9000Fが35mmマウント、35mmスリーブ、ブローニー用それぞれに専用ホルダを持ってるのに対して、MG8130は35mmマウント/スリーブ兼用のホルダになってます。（ブローニーは未対応）
ネガフィルムのスキャン目的なら、どちらでも問題ないです。
フィルムをセットする際の使用感は9000Fの方が押さえが利く感じです。
MG8130の方は反ったフィルムの矯正力が弱いと思った。

9000Fを買おうと思った最大の理由でもあるスキャン速度。
今回、フィルムのデジタル化に当たっては、取り込みの解像度設定は3200dpiとしています。
4800dpiだと時間&容量食いすぎ、2400dpiでもいいかと思ったけど、ウチの場合はTVが主な鑑賞機器ですので、来たるべき4K2K時代を考慮すると3200dpiとなりました。
（3200dpiで取り込むと、4500×3000ピクセルぐらいになります。）
取り込み条件：3200dpi、高画質モード＝ON、粒状感低減＝ON標準、輪郭強調＝ON、それ以外の調整はデフォルト
… とした場合の読み取り速度の比較
MG8130 ： 8分6秒
9000F ： 2分12秒
PCはCore2Duo 3GHz世代の自作機でこれぐらいです。
MG8130は無線で飛ばしてるけど、機械の動きを見ても、無線がボトルネックにはなってなさそう。
…で、画質はと言うと…
9000F

MG8130

色見の違いはさておき、これじゃ分かりにくいので、等倍pixelで…
9000F

MG8130

それほど違わないね？(^^;
むしろ、輪郭がハッキリしてるのはMG8130の方…(^^;
もう1回。
9000F

MG8130

傾向的に、MG8130の方がコントラスト強くて少し青みがかった発色のようです。
この辺、スキャナドライバのバージョンが違うのも影響してるかも知れない。
今回の取り込みは純正の MP Navigator EX を使っていますが、9000Fが ver 3.1なのに対してMG8130はver 4.0。
使い勝手も向上してるんで、9000Fのドライバアップデートして欲しいんだけど ＞ キヤノンの人。
…その前に機器ごとに専用にせずに共通化できないの？(^^;
多少、画質の違いはあるにしろ、MG8130のフィルムスキャン機能は十分に使えるレベルであると思います。
ただ、問題はその速度。
上の比較結果にもありますが、3200dpiで取り込んで1コマで6分も差があります。
仮にフィルム50本1200コマ取り込むとしたら120時間！
時給700円のアルバイト換算でも8.4万円です。(^^;
これを考えたら2万ちょいのスキャナを買っても全く損はないでしょう。(^^;;;
さらに、MG8130に無い機能としては、9000Fにはキズ、ゴミ取り機能があります。
これは、スキャン前に赤外線で走査して凹ならキズ、凸ならゴミと判断して自動的に修正してくれる機能です。
試してみたけど、ちゃんと修復するし結構優秀でした。（ただし、読み取り時間は圧倒的に伸びます）
私、大昔はSCSI接続のフィルムスキャナを買ったり、複合機に付いてた機能を試したりしたけど、全く使えないというイメージしかありませんでした。
しかし、最近の機器は十分に使えるし、データ品質も素人には満足いくレベルに達していると思います。
フィルム資産を大量にお持ちの方は、退色してダメになる前にデジタル化すること、オススメです。(^o^)